本授業では、労働市場に関する各種統計を用いながら、日本の労働の実態をデータに基づいて理解することを目的とします。はじめに、賃金構造基本統計調査や労働力調査などの主要な労働関連統計の概要とデータの見方を学びます。その後、名目賃金と実質賃金の違いや、男女間・学歴間・産業間の賃金比較を行い、賃金水準の特徴を把握します。
続いて、平均・中央値・分散などを用いた賃金分布の分析や、ジニ係数・十分位比などによる格差指標の測定を行います。また、ヒストグラムや対数賃金の作成、相関分析などを通じて、賃金データの可視化と基礎的な分析手法を学びます。これらの計算や図表作成にはExcelやPythonを使用し、実際にデータを処理・分析しながら理解を深めます。
さらに、賃金制度や人的資本理論、労働生産性と労働分配率、労働時間や働き方、勤労者家計の状況などを取り上げます。加えて、各種指標について国際比較も行い、日本の労働市場の特徴や課題を多角的に考察します。後半では、人口構造の変化や労働力人口、雇用のフローとストック、労働需要、失業率、労働移動などを分析し、労働市場の動きを総合的に理解します。最終回では全体を振り返り、労働統計から日本および世界経済を読み解く力を養います。

