シラバス情報

科目名
禅(ZEN)で元気なこころとからだをつくろう b
授業コード
35004
担当者名
吉村 昇洋、渡辺 郁夫
単位数
2単位
配当年次
1年
開講学期
2026年度後期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】本授業ではアクティブラーニングを実施します。
精神・メンタリティーに関する情報は巷に溢れかえっています。しかし、実際に自分の心をのぞきみる体験をする機会はなかなかありません。本授業では、坐禅の実習を通し、自らの「こころ」を見つめ現代を生き抜くちからをつけることを目指します。禅(ZEN)は仏道修行の際に行われるものではありますが、この授業でお伝えする内容は、“実践哲学” と思ってもらって構いません。何を実践するかといえば、自己の心の在りようを見つめ、動揺を静め、ラクに生きていくことに他なりません。そういったものですので、世界中のあらゆる人たちが自身の信仰とは関係なく実践しています。 医療・福祉・教育や政治・経済、 スポーツに至るまでその道を究めた偉人の中には、 禅の思想や実践を日常的に取り入れている人も多くいます。とかく閉鎖的・時代遅れなイメージを持たれがちな禅ですが、本来とても日常的で活気に富んだ世界であること知り、何かを感じ取っていただきたいと願っています。
【実施方法】
禅の修行は先生と学生の一対一のやり取りが基本です。しかしこの授業では担当教員を含めた参加者全員が互いに刺激し合いながら学び合います。坐禅の体験をメインとし講義中一切の私語は禁止です。15コマの内、2〜3回小レポートを提出して頂き、提出されたレポートには担当教員がコメントを記して返却します。
【課題等のフィードバック】
皆さんが坐禅を実践する中で生まれるさまざまな課題や疑問点に対して、教員が適宜フィードバックしていきます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、元気力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)坐禅の実習を通じて心と体の調和をはかる。
(2)自らの「こころ」を見つめ、ありのままの自分を受け入れる体験をする。
(3)「いのち」の尊厳に目覚め、人生を自らの力で生き抜く気概をもつ。 
【身につく力】  問題解決力、斬新な発想をする力、チャレンジする力
授業計画
第 1 回 ・人間力チェックシート記入及び効果測定【初回】55分実施
     この回では、まず人間力について理解し、どの人間力を身につけたいかを意識します。
     ・坐禅指導(実際に坐りながら、姿勢(身)・呼吸(口)・思考(意)の3要素にポイントがあることを体験します)
     以降、毎回坐禅の実習を行います。     
第 2 回 ・実は日本が “禅” の最先端。
     仏教及び禅の歴史の理解が大まかに身につきます。インド⇒中国⇒日本⇒欧米
第 3 回 ・マインドフルネス(正念)
     マインドフルネス瞑想の心理学的説明を聞き、禅との違いについて、説明できるようになります。
第 4 回 ・坐禅って、何のためにするの?
     目的を持たない在り方(只管打坐)。「何かのために何かをする」という文脈からの脱却。
          doing mode とbeing modeが使いこなせるようになります。
第 5 回 ・日常生活と坐禅 — 行住坐臥(修証一等)
     坐禅は非日常の体験ではありません。禅の修行について聞かれたときに、ある程度説明できるようになります。
第 6 回 ・さとりとはなにか? 仏とはなにか?
     さとりを求める自己の在りよう、つまりメタ的に自己を見つめられるようになります。
第 7 回 ・釈尊のさとった四法印の考え方。
                 諸行無常/諸法無我/一切行苦/涅槃寂静の概念を理解し、日常生活で活かして、心を落ち着かせることができるようになります。
第 8 回 ・人間力チェックシート記入及び効果測定【中間ふり返り】30分実施
                 この回では、自身の人間力の変化をふりかえり、その変化に対する考えを仲間たちへ伝えます。
第 9 回 ・大乗仏教の「空(くう)」ってなに?
     聞いたことあるけど、よく分からない “空” について解説し、今後継続して考えるきっかけにします。
第10回 ・各宗派の坐禅の違い
                  天台宗の止観、真言宗の阿字観と月輪観、臨済宗や黄檗宗の看話禅と数息観、曹洞宗の黙照禅と只管打坐などについて解説し、
     自分に合った坐禅を選び取れるようになります。
第11回 ・悟後の坐禅
     さとりの求めて坐るのではなく、さとった後のお釈さまの在り方を参考にし、自分の生き方について振り返ります。
第12回 ・無所得の坐禅 — 得ようとしない勇気
                  効果や見返りを求める心をどう扱うか、禅の「無功徳」の考えを学び、日常で苦しまないようにしていきます。
第13回 ・禅戒一如
     戒とは「良い習慣」のこと。生活の中で、できるだけ良い習慣の中に身を置くことで、自分の生活に変化をもたらすきっかけにしていきます。
第14回 ・効果測定
                 ・生き方の指針としての禅
     禅の修行に終りはありません。日常で迷った時、大変な時に、心の立ち返る場所として禅の考え方を持っておきましょう。
第15回 ・人間力チェックシート記入【最終ふり返り】35分実施
                 最終回で総合的なふりかえりを通して、自身の人間力がどのように成長したのかを理解します。
関連科目
日本の宗教
日本の思想と文化
準備学習等の指示
この授業は、興動館科目の「元気力フィールド」の授業です。毎回、元気力フィールドの達成目標を意識して授業に臨んでください(①失敗から元気に立ち上がるための意欲・気概をもつ、②自分の長所を発見し、自分の将来に展望をもつ)。 身体的に不調だとうまく座禅ができませんので、体の調整を前日からしっかりやってください。毎時間禅のテキストが配られますので、受講後は内容をしっかり定着させるために、禅の関係図書を2時間程度は読み、内容をしっかり定着させてください。予習と復習に各2時間を要します。
教科書
教科書は使用しません。必要なものがあれば、授業でそのつど指示します。
参考文献
吉村昇洋『心が疲れたらお粥を食べなさい 豊かに食べ、丁寧に生きる禅の教え』幻冬舎、2014
吉村昇洋『気にしない生き方』幻冬舎、2015
吉村昇洋『精進料理考』春秋社、2019
吉村昇洋『暮らしもココロもリフレッシュ! 禅式おそうじ術 (NHKまる得マガジンテキスト)』NHK出版、2019
吉村昇洋『心とくらしが整う禅の教え』オレンジページ、2021
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
(1) 授業への参加度(…授業に対する姿勢・態度=20%)
(2) 坐禅中の態度・意欲(50%) 
(3) 坐禅後の発言・レポート(30%)
上記の三項目を元に、総合的に評価します。
実務経験と授業との関連
本講座の担当者は、福井県の曹洞宗大本山永平寺で修行し、禅寺の住職として長い禅の実践経験を持っています。また、臨床心理士/公認心理師として、現在も臨床現場に出ています。これらの経験を生かし、坐禅に関して仏教学および心理学の側面から、自分の心の中に生じる不安や思いの捉え方、またその扱いについて、分かりやすく伝えていきたいと思います。
備考
定員を30名とします。
服装には注意が必要です。
 1.トレーナーの上下など、坐禅に適した緩やかな服装にしてください。
 2.靴下は教室に入る前にとってください。
 3.身の回りの金属類(時計、指輪・腕輪・リングなど)も坐禅中は外しましょう。
興動館科目では、あなたの人間力の成長を記録するために、ふりかえりと分かち合いを重視した「人間力チェックシート」を作成していただきます。