アジアの通貨危機と国際貿易
実物経済,特に貿易におけるアジア通貨危機の影響について考察している。世界的に金融市場の不安定さが伝播したものの,先進諸国の経済は比較的安定しており,そのことが世界全体の貿易取引の縮小を抑える結果となった。アジア各国の経済混乱は深刻であるが,アジア地域全体でみたとき貿易の規模の大幅な縮小がなかったことが,生産性を維持させ,実物経済への影響をある程度緩和させたといえる。
広島経済大学経済研究論集
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