中国地域経済における広島の役割 : 大震災後の東北からみえる課題と今後の可能性
東日本大震災の教訓の一つは、物流ラインが寸断された時、どのように迅速に再編するかという点にある。本論の分析から、広島県の東部の岡山県南部との経済的な結びつきがあらためて明らかとなった。松江尾道線が開通すれば、中国北部もこの地域につながり、広島の集積効果は薄れる。広島県南部にとって、中国地域の結節点である三次とのラインを強化すれば、このような流れをくいとめられる。また、三次を山陰、瀬戸内、両側の物流基地として、災害時にも物流ラインを維持することが可能であることを示した。
広島経済大学経済研究論集
34巻
3号