本論文は、アメリカが宣言した「テロ戦争」を受けて書かれたものである。その中で、「テロリズム」という概念を正確に特徴付けたり定義したりすることの難しさや、国際法において対テロ法を案出することの難しさについて考察した。以下、7項目に分けて論じた。
1)根本から議論される概念としてのテロリズム 2)テロリズムという言葉に共通する要素の識別 3)政治的暴力の分析における周辺状況の重要性 4)戦争の合法的目的や意図の不明瞭さ 5)テロリズムを国際法で定義できないこと 6)相対主義をめぐる立法の手続き 7)「テロ戦争」から政治色をなくしたいアメリカ政府。