高度成長期におけるわが国の経済政策
本論は、時間的な研究対象範囲を、29年不況を終えた昭和30年から「いざなぎ景気」が幕を閉じていった45年までとし、抱括的な高度経済成長の分析を試みた。まず経済社会の背景として、当該期間における景気変動過程と「国際収支の天井」の特徴を吟味し、高度成長の成果を数値で示している。さらに高度成長の要因として国際秩序、資源、貯蓄率、技術革新、日本型市場機構等を指摘し、これらをもとに「国民所得倍増計画」、所得格差と地域格差政策、貿易・為替自由化政策、産業再編政策の概要とその評価を行っている。
安芸論叢
第3号