主教と君主のためのウィリスの戦い―ハワイ王国転覆の宗教的文脈に関する一考察
19世紀末のハワイ王国転覆の背景には、宗教と政治の両面にわたる福音派と聖公会の戦いがあった。本稿ではハワイ聖公会の主教の職とハワイ王国の君主の職を同時に守ろうとしたアングロカトリックの聖職者ウィリスの格闘に焦点を当て、当時のハワイにおける宗教と政治の密接な関係に光を当てた。
史学研究
第301号