効率的労使交渉モデルとプレイヤーの時間選好について
McDonald&Solow(1981)の先駆的業績以来、労働組合と企業との一回限りの交渉ゲームは、パレ-ト基準からみて非効率な結果に陥ることがよく知られている。このことを踏まえ、本稿では、労使間の交渉ゲームを無限繰り返しゲームおよび逐次交渉ゲームの枠組みで展開し、非効率な交渉結果がいかにして解消され、効率的な交渉結果に至るかをみてきた。そのなかで得られた結論は、両プレイヤー(労働組合、企業)の時間選好率が1に近づく程、効率的交渉が実現するということであった。
広島経済大学経済研究論集(査読なし)
第21巻
2号