本稿では、公共財を如何に社会的最適量の実現する方向へ導くか、繰り返しゲームの枠組みから考察した。その中で、まずone-shotゲームにおける公共財の過少拠出及びグループ規模の公共財拠出への影響について考察し、その後、、ゲームの構造を無限繰り返しゲームで展開し、最適な社会的拠出水準と、時間選好率及びグループ規模の関係についてを検討してみた。特に、ユニークな結論は、無限繰り返しの枠組みでは、グループ規模が拡大するほど、最適(効率的)な拠出水準に近づくということである。これは、所得効果が強く働くことが影響するということであるが、現実に公共財拠出を考えた際、1つのパラドックスといえる結論である。