本稿では、シュタッケルベルグ均衡下での公共財の自発的拠出について分析した。一般的に、公共財の自発的モデルでは、各メンバーが公共財の外部性を配慮せず拠出水準を決めることから、パレート効率は実現できない。本稿では、そのことを踏まえながら、まず公共財の基本モデルに検討を加え、公共財の中立性命題及び過少拠出を確認した。その後、シュタッケルベルグ・モデルに焦点を移し、そこでも中立性命題及び公共財の自発的拠出量の過少問題が生じることを2、人-Agentモデルで示した。最後にその一般型であるn人-Agentモデルにおいても、中立性命題および自発的拠出量が過少となることを展開し、またリ-ダーシップのAgentの利得は、そうでないAgentより大きくなることを確認した。