基幹通信方式の主流は、2000年よりギガ(bps)単位の通信帯域へと移行を開始し、2005年までにテラ(bps)単位の通信帯域を誇る製品群が続々と登場するはずである。ATM方式はデータ汎用性、セグメント接続、答時通信性収容、などにおいて極めて高い実用性を誇るが、IP接続、マルチキャスト通信、などに関して、速度向上の著しい古典的イーサネット方式に大きく劣る。当初、ATM方式が優勢であったマルチメディアデータ転送(特に、映像・音声データ転送)も、ストリーミングデータ転送技術の台頭によって、これまでの状況は一変し、Layer3スイッチによるギガイーサネット方式が大きく躍進することが想定される。本研究は、ATM方式RAW転送、LANエミュレーション、ギガイーサネット、異なる三つの通信方式によるマルチメディアデータ転送能力についての比較実験に基づく検証である。さらに、ギガイーサネット方式におけるIEEE80.1Q拡張機能の集線トランク機構とこのマルチメディアデータ・トラフィックの影響についても実験検証を行っている。