A.Kayが「子供にも使えるコンピュータ」を目標として、DynabookのコンセプトやALTOを公表してから約40年が経過しようとしている。そこから現在までの時間経過の中において、コンピュータの処理性能や各種の記憶装置容量は飛躍的に向上してきた。本稿は、個人向けのコンピュータと携帯端末のユーザインターフェイス技術の進化に着目し、その検証作業の中から「ポストALTO」のユーザインターフェイスの動向を分析している。この研究は、学術的ななユーザインターフェイス技術に関わる工学研究に焦点をあてるものではなく、製品開発を現実に担うIT産業界の中におけるユーザインターフェイス技術開発の競争について検証を行っている。最終部において、現在の市場シェアの大半を握る、RIM、Apple、Microsoft(Windows Mobile)、Androidの四つのOSは全て従来型であり、これら従来型OSのユーザインターフェイスでは、数年先に待ち構えるMID製品群に向けて不適当であり、今後各社のこの開発速度と深度が製品販売の動向にも大きな影響を与えると結論付けている。