本研究は、Cook体制への移行後からを第二期として捉えて、その事業戦略の変化を継続的に追跡してきた。 研究の焦点は、Appleのロックイン戦略にあるが、Cook体制に変わり、Appleの事業戦略が大きく変質を始めたため、その対象をスマートフォン製品だけでなく、移動体端末製品製造全体へと拡大した。 本稿は、Cook体制におけるスマートフォン製品製造事業の変化の中でも、2017年第一四半期までの商品性と商品開発に焦点を当て、JobsからCookへの事業戦略上の変更点を検証している。 特に2016年の減産への戦略転換に注目し、JobsとCookの事業戦略性の本質的な差異を明らかにする。