本研究では、Jobs体制からCook体制へ移行後のAppleを第二期として捉えて、その事業戦略の変化を継続的に検証してきた。 研究の焦点は、Appleのロックイン戦略の変化にあるが、Cook体制に変わり、Appleの事業戦略が大きく変質を始めたため、その対象をスマートフォン製品だけでなく、移動体端末製品製造全体まで拡大している。 本稿は、Cook体制におけるスマートフォン製品製造事業の変化の中でも、Jobsの没後からの製品開発のアプローチとシステムロックイン体制の変化に注目し、現状のAppleの抱える課題について検証を行った。 特に2016年の減産への戦略転換に注目し、JobsとCookの移動体端末事業に関する戦略ポジションの差異を明らかにする。