経済開発の戦略の中心は工業化にあるという、国家開発5ヶ年計画のガイド・ラインに基づき、インドネシアの経済開発の位置づけと成果を明らかにするのが本論の目的である。論文では、その把握のために、政策の理論的背景とそれに基づく経済政策、そしてそれらを踏まえた実証分析による解明を試みた。理論では、途上国開発理論からみたインドネシアの開発の姿を明らかにした。政策では、工業化政策の成果と問題点を、国家開発5ヶ年計画から概観し、さらに韓国、台湾の工業化の道程を顧みながら、インドネシアの工業化を比較論的に考察した。そして実証分析では、工業化政策による産業構造のに変化を、産業連関表から考察を試みた。