今日のように高度に情報化された社会において、さまざまなメディアから情報が洪水のごとく児童・生徒に向けて発信されている。それらの情報の中には有益なものもあれば、有害なものもあり、そうした情報を見極める情報リテラシーを身につけさせることが重要になってきている。 文部科学省の「学習指導要領」では、子どもたちの生きる力、自ら主体的に問題を発見し、解決する力などを教育目標として大きく掲げており、また同省の「教育の情報化に関する手引」では情報教育の体系的な推進がうたわれ、情報活用能力や情報モラル教育の重要性が指摘されている。 このような状況のなかで、膨大な情報の中から有益な情報を主体的に選び出すことのできる能力を学校教育のなかで育てる必要性が以前にも増して高まっていることを指摘した。 さらにその情報の取捨選択能力の根底にあると考えられる、メディア・リテラシーなどの概念について概観するとともに、そうした情報分析の出発点である、メディア情報に明示的あるいは暗示的に含まれるテキストを分析する6つの視点について解説し、ICT(情報通信技術)活用教育の可能性について触れた。[執筆頁数15頁]