日本語のかき混ぜの着地点について
本論文では、multiple-Spec構造によってかき混ぜの着地点を分析した。かき混ぜの着地点がA位置である証拠として、かき混ぜが弱交差効果を示さず、新しい束縛関係が成立することを示した。かき混ぜの着地点がA'位置である証拠として、かき混ぜが束縛条件(C)の違反にならず、寄生的空所を認可することを示した。また、かき混ぜされた要素がA位置とA'位置特性の両方の特性を同時にもつ場合もあることや再構築が適用される位置が説明されることを示した。
西日本言語学会「ニダバ」
第25号