移動と併合について
本論文では、非補部から項や非項が取り出される場合と非項が取り出されない場合を説明するために、障壁を介在させない分析を展開している。そこで、鈴木(1999)が提案した直接併合という操作を障壁理論に導入した。また、直接併合された非項のwh句の解釈規則を仮定したり、直接併合による派生を制限した。さらに、直接併合を障壁理論と組み合わせることによって、tensed IP障壁とSMC障壁を弱めるwh島の条件を障壁理論から排除できることを示した。
広島経済大学 「研究論集」
第22巻
第2号