名詞句からの外置に関する制約について
本論文では、名詞句からの外置について、外置が容認される制約を考察した。先行研究では説明できない外置があることを指摘し、外置要素が元々含まれていた要素内の制約を提案した。この制約は、外置要素が元々含まれていた要素内で意味解釈の完成度が高いほど、外置要素との関連づけが難しく、文の容認性が下がるというものである。この制約により、従来の制約では説明できない外置の文法性が判断できることを示した。
広島経済大学創立四十周年記念論文集