ベトナムにおける農業開発と対外経済開放:ドイモイ政策による農業生産性向上と海外直接投資受入の分析
近年ベトナムの経済成長を考察する時、しばしば経済開放に伴う外資受入と、その結果としての輸入代替及び輸出促進工業化の成果であると結論づけられることが多い。しかし、ドイモイ政策の主要課題のひとつである農業開発の成果に目を転じると、農業分野においても、外資を活用した生産性向上による成果が著しいことが確認できる。経済開発が論じられる際、ともすれば工業化を推進する論調が中心になりがちだが、ベトナムの経験から、農業分野の開発に真剣に取り組むことの大切さが再認識できる。
広島経済大学『経済研究論集』
第30巻
1・2号