寡占的金融市場における規制と経済厚生
本稿では、クールノー・ナッシュ型貸出競争を行う寡占的銀行業を定式化し、預金市場における需要が、貸出市場での貸出利子率に依存して決定されるような、市場間でのスピルオーバーが存在する金融市場のモデルを構築し、銀行業に対する規制と社会厚生に関する分析を行った。その結果、市場間のスピルオーバーが存在する場合においても、若干の仮定を強めることによって、いわゆる「過剰参入定理」が成り立つことが示された。
九州経済学会『九州経済学会年報』
第34号