本論文では近年離散変数をもつ最適化問題に対して有効性が示されてきた遺伝的アルゴリズムを用いて2レベル線形計画問題のStackelberg解を導出することを試みる.下位レベルの問題の最適性条件を上位レベルの問題の制約に入れることによって,2レベル線形計画問題を1レベルの計画問題に変換する.下位レベルの問題の最適性の条件には相補条件が含まれるが,0-1変数を導入することで,得られた1レベルの計画問題は混合0-1計画問題となる.0-1変数を遺伝的アルゴリズムの個体として表現し,問題の特徴を利用した初期個体群の生成および対応する遺伝的オペレータを採用したStackelberg解の計算方法を提案する.数値実験により,変数除去法と提案する手法を比較し,提案する手法の有効性を示す.