IT業界では、製品が完成する以前にそのコンセプトや技術的概念が一人歩きし、コンセプトや概念のみが一定の市民権を得たかのように扱われることがある。コンセプトや概念が明確な定義のないまま、先行して広まってしまうような用語をIT業界では「バズワード 」と呼んでいる。現在のIT業界において「バズワード」のように扱われている用語に「クラウドコンピューティング」がある。 クラウドコンピューティングが「バズワード」として終焉すれば問題ないが、クラウドコンピューティングはIT産業の脇役ではなく主役として取り扱われる雰囲気が漂っている。。本稿では、クラウドコンピューティングとは何かを明確にし、クラウドコンピューティングに傾斜する企業情報システムは偶然ではなく必然であることの検証を行っている。