本稿では、Signal ProcessをARとして、そのプロセスとホワイトノイズの和からなる時系列モデルの一致推定量を提案し、他の推定量の比較のためのシミュレーション分析を行っている。本稿で想定しているモデルはARMAモデルで表現可能であるので、ARMAモデルの最尤推定量と比較した。両モデルの推定値の平均は、ほぼ同じであるいう結果を得た。さらに、実証分析として、東京証券取引所のデータを用いてRVを計算し、RV系列に対して分析を行った。本分析は、観察されるRV系列のデータは真のボラティリティにノイズが含まれているという想定のもと、真のボラティリティの時系列特性を分析しようとしている。結果として、ほとんどの銘柄のボラティリティは単位根に近い値をとり、ボラティリティが発散する可能性がある銘柄も存在するという結果を得た。