株価変動と売買高の関係についての分析は、おおむね正の関係があるとされてきている 。この現象を説明する一つの仮説として情報流入仮説がある。Omaran and Mckenzie (2000)では、情報流入仮説とGARCHモデルを用いて、株価収益率のボラティリティの持続性は、取引高に表れるような市場に流入する情報量の持続性の反映であると結論付けている。しかし、先行研究では、統計的検証は行われていない。本稿では、東京証券取引所上場銘柄について同様の分析を行い、統計的検証の結果、先行研究が示唆するような結果は本邦株式市場には当てはまらないことを明らかにした。(共著者;鈴木喜久)
(pp.53~67.)