本論文は、金融時系列にしばしば観察されるボラティリティの持続性の原因の解明、ならびに株価収益率に正規分布以外の分布を仮定することの妥当性の検証を行っている。本論文は、4章から構成されており、第1章でボラティリティの持続性は含めるべき説明変数の欠落に原因を求め分析を行った。第2章で推定されたパラメーターから構造変化点を検定統計量の提案を行った。第3章では、ボラティリティの持続性は想定誤差による見かけ上のボラティリティの持続性の問題を扱っている。第4章で株価収益率にNIG分布を仮定することの妥当性の検証を行った。(112頁)