数理ファイナンスの分野で、最近注目を浴びつつある派生証券の価格付けモデルとして、株価収益率が正規分布より裾の厚い分布に従っていると仮定する方法がある。その分布の一つに、GH分布(Generalized Hyperbolic Distribution)がある。この分布はBandorff-Nielsenによって提案され、すでに幾つかのオプション価格付けモデルも存在している。これらのモデルを用いて、オプション価格付けを行うためには、株価過程を特定化することが必要になる。本稿では、特定化された株価過程に対してその正当性を評価した。