論文

基本情報

氏名 広田 堅志
氏名(カナ) ヒロタ ケンジ
氏名(英語) Kenji Hirota
所属 広島経済大学 経営学部 経営
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

1994年からWTO加盟までの中国の為替管理

単著・共著の別

単著

著者

 

担当区分

 

概要

社会主義市場経済体制(1992年)の確立に伴い、為替管理の改革について、為替管理体制を改革し、市場の需給関係を基礎とした管理された変動相場制と統一的に規範された外為市場を確立し、人民元の兌換性を徐々に実現するという改革方針を掲げた。1994年以降、人民元レートをはじめ、中国の為替管理制度は急速に整備されてきたわけであるが、その過程において、国家が経済をコントロールするという社会主義国家体制(社会主義市場経済体制はこの国家体制の下で運営される)を根本とし、かつ、急速な発展を遂げながらもなお複数のアキレス腱を有する。それゆえに、依然として保護政策が不可欠な経済情勢にあることより、為替管理に関する規定についても経済情勢等に応じて頻繁に変更し、為替管理および国内経済のコントロールをはかってきたといえよう。
 人民元相場が「市場の需給にもとづく管理された変動制」であるとされながら、実態は中央銀行である中国人民銀行の介入により管理された米ドルに対する固定相場制である点や、経常項目取引に対しては取引の制限はないとしながらも、その結果、獲得した外貨の保有については厳格な制限を設けている点などは、その象徴である。本稿は上記の諸要点に焦点を合わせ、1994年為替管理体制改革の背景、改革の内容、実施状況、人民元相場の政策目標を整理・分析を行ったうえ、当該時期の為替管理に対する評価を試みた。

発表雑誌等の名称

広島経済大学経済研究論集

出版者

 

第35巻

第4号

開始ページ

75

終了ページ

91

発行又は発表の年月

2013/03