2001年のWTO加盟を契機に、世界における中国経済のプレゼンスが高まってきている。
中国経済の量的拡大とともに、米国との経済関係も深まりつつある。米国の中国からの輸入額のうち、ほぼ半分は中国が最大の供給国ということになり、米国の輸入における中国のプレゼンスの高さが浮き彫りとなった。本稿は、米中貿易不均衡の状況を付加価値貿易の観点からアプローチしたのもである。まず付加価値貿易に関する先行研究とデータベースの構築について概観したうえ、米中貿易を財とサービスのそれぞれに分けて、総額貿易(gross value)統計と付加価値貿易(trade in value added)統計にもとづく両国の貿易収支の結果を比較しながら、米中貿易不均衡の実態とその原因を明らかにした。