WTO加盟以来、中国の国際収支の経常収支、資本と金融収支ともに持続的黒字が保持されていることにより、人民元切り上げ圧力が強まり、また、中国の国際収支のあり方についての議論も中国国内外にとり沙汰されるようになった。2007年上半期に、政府は国際収支のバランスを図るための一連の政策調整を講じたが、期待した目標が達成できず、経常と資本収支のいずれにおいても、黒字額が拡大しており、国際収支の「双子の黒字」という基本的構造に変化はなかった。 一連の政策をとったが、その効果が顕著に現れなかった。有効な対策を考えていく場合、国際収支に対する構造的分析が必要不可欠な作業であると筆者は考えている。本稿では、中国の国際収支表を中心に、WTO加盟後5年間の中国の国際収支の構造的特徴を分析し、中国経済の構造的問題点を国際収支の面から分析を行った。