第12章 中学校のキャリア教育 2008年に告示された中学校学習指導要領におけるキャリア教育の位置付けについて整理した。キャリア教育は、各教科はもとより総合的な学習の時間、道徳、特別活動の領域を含めて横断的な指導が必要であることを述べた。また、中学校の職業教育として「技術・家庭科」の内容を分析し、技術の分野で73時間の授業を展開できるが、極めて少ないことを明らかにした。中学校のキャリア教育の年間計画例やキャリア・カウンセリングの事例を示し、教師が生徒と保護者と一緒に考える姿勢をもつことが重要であることを指摘した。最後に中学校の進路指導については、教師が人生の案内役としての指導に転換することが必要であり、中学校教育に職業の視点を注入したキャリア教育を推進する必要があることを述べている。第13章 高等学校のキャリア教育 高等学校学習指導要領におけるキャリア教育の位置付けを整理し、高校生のキャリア発達課題を示した。高等学校でのインターンシップの基本的な展開例を示し、生徒の充実感、達成感が高まり、自己肯定感をもてるように指導することが重要であることを述べた。高等学校の職業教育については、専門高校の職業教育が生徒にとって新鮮で学習意欲が高まることを指摘し、将来の職業を明確にしている生徒はモチベーションが高く、忍耐強く学び続けることができることを述べている。高等学校の進路指導の問題点を、教師側と生徒側に分けて整理した。
上記第12章、第13章の2章を分担した。