学校のいじめ問題に関する研究〈Ⅲ)
本研究(Ⅲ)では、いじめ加害者の心理を先行研究と筆者の経験を元に7つの類型に分類し、それぞれの特徴を明らかにした。いじめ加害者が被害者になるのは、いじめをはやしたてる観衆が被害者になるということを指摘した。また、いじめ加害者になる子どもは、嫉妬心と欲求不満が強いだけでなく、自己愛性行為障害と境界性行為障害の二つの傾向をもっていることを示した。この二つの傾向は、母親が愛情を注ぎすぎたり、愛情が不足した場合に起きることから、家庭での養育態度が子どもの性格形成に大きな影響を与えていることが分かった。
広島経済大学研究論集
第34巻
第1号