本研究(Ⅰ)は、高等学校商業科における専門科目である「簿記」の授業で指導する商品売買取引の処理方法を考察したものである。最初に、分記法と総記法を明確に区別して指導することの重要性を指摘し、総記法は一勘定法から十勘定法まであることを整理している。簿記の導入で指導する分記法が高校生にとっては理解し難いことから、最初から狭義の総記法(商品一勘定法)によって指導するという方法を提案するものである。商業科の教員が教材研究の段階で十分に理解していない実態があることから、各種の専門書を考察して、教師用の研究資料としても活用できる。