本研究(Ⅲ)は、高等学校の教科「商業」の専門科目である「簿記」における商品勘定三分法と四分法の指導について論究したものである。商品勘定三分法の考察では、商品売買益を計算する勘定科目として①損益勘定、②売上勘定の2種類があることや、③損益勘定で売上原価と商品売買益を計算する方法もあることを分類整理した。また、商品勘定四分法では、④売上原価勘定を設ける方法と、⑤売買勘定を設ける方法の二つを考察した。理論的には、商品勘定を様々な勘定科目に分割した場合に、それぞれの勘定科目の純粋性が保持できる④の方法が最も優れていることを明らかにした。