高等学校の商業科の専門科目「簿記」の授業で、決算についてどのように指導していけば効果的なものになるのかを、筆者の実務経験と学校現場での指導経験をもとに論及したものである。内容として、決算の指導において、リアリティをもたせる必要のあることを指摘している。教科書に掲載されている棚卸表が簡単すぎることや、決算の手続きが実務と違っていることなどに問題があることを論述している。また、試算表の作成においては、貸借の合計金額が合致しない場合の発見方法などについて指導する必要があることや、試算表の読み取り・分析について具体的に指導する必要があることを指摘している。また費用と収益の見越し・繰り延べの内容は、生徒が理解し難い単元であるため、考え方だけでなく簡単に覚えられるように、具体的にどのように指導するのかを述べている。