学校における職業教育とキャリア教育の関連について整理し、21世紀の職業教育がどのようなものであるべきかを考察したものである。この研究の出発点は、ケネス・ホイト(Kenneth B.Hoyt)が2005年に示した「キャリア教育+従来型の職業教育=今日求められる職業教育」という公式である。我が国おいて現在進められているキャリア教育には職業教育が欠落しているという問題意識から、キャリア教育に職業教育を混ぜ合わせることで、新しい職業教育が創造できるのではないかという研究仮説を立てて研究を進めることにした。この研究(Ⅰ)では、職業教育とキャリア教育の概念を考察した。その中でエドガー・シャインの研究成果をもとに、キャリア・アンカーの概念について整理した。また進路指導とキャリア教育の関連についても論及し、進路指導の問題点と改善の方向を示した。