第一部では、中学校における進路指導について、目的・実践・運営の三つの原理の内容を詳細に考察した。特に職業人としての生き方の原則が重要であり、生徒が職業について学べる機会を設定し、職業を通しての将来の生き方を指導する必要性について論述した。また、中学時代は、進路探索の時期であることから、個性と進路の関係を検討するという進路発達課題を成就するよう、個々の生徒の発達状況を見極めながら指導することの大切さを指摘した。第二部では、中学校の教員が高等学校について理解しておくべき基本的な問題を検討した。例えば、全日制課程だけでなく、定時制課程や通信制課程の特徴や、普通科・専門学科・総合学科の特徴について十分に把握する必要があるので、それらを考察した。