研究(Ⅱ)では、進路指導の在り方を探るために、公立中学校の進路指導の実際に焦点を合わせて、次の三つの項目を考察した。①「就職・進学について中学校の教員はどのような指導を行うべきか」、②「広島県における公立高等学校の学科別入学者比率の分析」、③「広島県における公立高等学校の入試制度」である。①では、中学校の進路指導が「学ぶこと」と「働くこと」が中心になっており、この二つが「生きること」と重なっていると捉えることが重要であることを論述した。②では、広島県の場合は、全国平均と比較して普通科の比率が低く、総合学科の比率が高くなっていることを明らかにした。また、広島県の専門学科の比率は全国平均よりも若干高いことも指摘した。③では、広島県の公立高等学校の選抜(Ⅰ)・(Ⅱ)で、中学校の成績(内申点)が大きなウェイトを占めていることから、中学時代の学校の成績で高等学校の進学先が決定され、その後の進路にも大きな影響を及ぼすということを指摘した。