納税者の視点から見た日本の租税法に関する基礎的研究(Ⅰ)
最初に租税根拠論について利益説と義務説の考え方を整理し、小中学校段階では利益説で説明しているが、高等学校からは義務説で説明していることを指摘した。また、義務説では納税と公共サービスの関連が切断されるという問題があることを指摘した。その次に、租税原則論についてアダム・スミス、ワグナー、マスグレイヴの示した諸原則を考察し、公平性の原則を実現することの重要性や租税正義の問題を検討した。
広島経済大学研究論集
第38巻
第1号