納税者の視点から見た日本の租税法に関する基礎的研究(Ⅱ)
租税の法的概念について国家の立場、国民の立場、判例という三つの視点から考察した後で、納税者基本権を提唱した北野弘久考え方を整理した。司法においては、立法府の裁量的判断が尊重されるいわゆる消極的司法の現実を明らかにした。また、租税正義と租税法の基本原則に関してロールズの正義論を考察し、租税法律主義、納税者主権主義、租税公平主義の三つの原則を導出した。
広島経済大学研究論集
第38巻
第2号