納税者の視点から見た日本の租税法に関する基礎的研究(Ⅳ・完)
1949年の「シャウプ勧告(日本税制報告書)」の内容を考察し、最も重視されたのは「租税負担の公平化」であるこを指摘した。内容は第一に直接税を中心とした負担の公平化、第二に所得税における総合累進課税の徹底という垂直的公平、そして第三に納税者間の公平という水平的公平であることを明らかにした。その後で租税法の法源の一つである日本国憲法の法的な意味を考察し、通達課税の問題をどのように理解すればよいのかを整理した。最後に研究の総括として「納税者の権利擁護こそが租税正義の実現である」ことを論述した。
広島経済大学研究論集
第38巻
第4号