本研究は、日本の一般消費税の真実の姿を明らかにするために、消費税の課税根拠を理論的に検討した後で、三つの裁判例を基に「転嫁問題」に焦点を当てて考察したものである。消費税は事業者が納税義務者となっているが、転嫁に関する権利・義務について何も規定していない。転嫁が強制できない為、転嫁しているのかどうかは曖昧な状況にある。裁判所の判決では、転嫁したものとして納税義務は発生していると判断している。そのため転嫁拒否の問題があっても、事業者は消費税を納税する必要ああるという苦しい立場に立たされている。その証拠に消費税の滞納額は他の国税と比較しても突出して高くなっていることを明らかにした。