本研究は、清算表の意義と作成目的に関する指導について考察したものである。精算表の実務上の作成目的は、年度途中で決算見込みの見通しをつけることにある。特に予算編成の段階で、年度の中間時点で決算の見込み(仮決算)を行うことがあり、便利であることを授業で指導する必要がある。高校の「簿記」の授業では、精算表の作成そのものが決算であるとの誤解を生む恐れが多分にあることを指摘した。精算表を作成していない企業もあることから、必須のものでないことに十分に注意するっ必要がある。また、本支店の会計では財務諸表の合併という作業があるが、その際に合併精算表を作成することも便利であるが、高校の「簿記」教科書ではそれに触れていないため、指導できていないという問題を指摘した。