本研究は、現行の相続法における代襲相続の問題を論究したものである。直系卑属の場合は、無限の代襲相続を認めている。その一方で、兄弟姉妹の直系卑属については「甥・、姪」までの代襲しか認めていない、その理由は、笑う相続人をつくりださないことと、遺産分割処理が遅延する恐れがあることの二つがある。しかし、現在の家族構成から考えると、k兄弟姉妹の数は、一人か二人であり、遺産分割処理の遅延は在り得ない。また、笑う相続人というものは、もともと出現することはない筈である。なぜならば、兄弟姉妹の孫にあたる年齢は、まだ未成年で学齢期にあると考えられる。そのため、父母や祖父母が死亡している状況を想定すると、生活を保障する必要がある。よって、兄弟姉妹の代襲相続について制限を加えている現行の相続法の規定は不合理と言える。