本研究は、日本の相続法における相続の所為人について、相続人の保護・救済という視点から諸問題を考察したものである。しょの焦点は「単純承認」と「原点承認」の本質にアプローチして、当然相続主義(=包括継承主義)の問題点を明らかにすることである。検討した論点は、次の三つである。第一に、承認するか放棄するかの熟慮期間が「3か月」になっており、それが過ぎると自動的に単純承認したことになる点である。第二に単純諸王人を本則(原則)としていることで、相続人を保護・救済できないケースがあるという点である。第三に、立法論として、限定承認を原則とすることで、莫大な被相続人の債務を負わされる危険を回避すべべきではないかということである。