日本の相続法における特別縁故者制度に関する研究
本論は、我が国の相続法(民法相続編)の特別縁故者制度について、その実務的な問題を裁判例を基に考察したものである。この制度は、二つの基本的な問題が存在している。一つは「特別縁故者に該当する者は誰か」ということである。もう一つは、「財産分与の相当性はあるのか」という問題である。本論では、特別縁故者と認められた判例を4つ、認められなかった判例を4つ取り上げて、裁判所がどのように判断しているのかを考察した。
広島経済大学研究論集
第44巻
第2号