大学での演習(ゼミ)プログラムの演習応募-選考手続きを、学生と担当教員とのマッチング・メカニズムとして捉えた場合に、マッチングの安定性や効率性に深刻な影響を及ぼす学生側の選択行動パターンが実際には観察される。本稿では、提携選好、定員、手続きにおける選好の変化について、2010年12月に実施した「演習(ゼミ)募集-選考システムに関する調査」から検証する。提携選考については、およそ2/3の学生が提携選考を持ち、平均的には3人提携が見られる。また、現行の応募-選考手続きでは、第2次以降募集で募集締め切りとなる演習が順次増加していくことから、第2次以降の応募では演習を選択する際に「定員に達していない」ことがより重視される。特に、第3次以降の応募では、他の要因の優先度を犠牲にしてでも、承認される演習に応募したいという傾向が強まることが確認される。