曖昧な予想の下での混合戦略均衡の分析
堀江真由美
本論文は,戦略形ゲームにおける混合戦略に対して曖昧さを導入したゲームを分析する。プレイヤーの選好関係を表現する効用表現には,Horie(2017)の「順序依存の落胆回避型効用表現」を新規に導入する。この効用表現は,基数性と曖昧さ回避傾向が生起確率に伴い変化するという点が特長である。これらの性質を用いてGoeree and Holt (2001)の反証と合致した均衡を導出し,自己利得効果(own-payoff effect)に理論的説明を与える。
経済研究論集
広島経済大学経済学会
第40巻
第4号