本稿は,多対一マッチングの応用例として,大学における演習(ゼミ)応募-選考システムを定式化し,DA (deferred-acceptance)メカニズムと広島経済大学の選考システム (HUEメカニズム)について安定性と操作可能性の観点から比較検証する。学生が応募をするDAメカニズムは,安定的かつ学生側からみた効率性が成立している(Gale-Shapley, 1962)ことが知られているが,本稿では,本学のHUEメカニズムは安定的ではないこと,またHUEメカニズムでは定員数の増減が認められているが,この定員の増減をDAメカニズムに用いると,教員側の操作可能性を高めることを示している。