『戦略的経営理念論 －人と組織を活かす理念の浸透プロセス－』

瀬戸　正則

本書では、異質多元組織である中小企業がもつ一貫性や非組織的な経営活動に焦点を当て、経営理念の具現化に向けた浸透促進を担う組織成員の戦略的役割や機能などミクロ的な視角から、理念浸透の必要性や有効性を論じている。
具体的には、経営理念に関わる多様な先行研究を学際的にレビューしたうえで、企業における人間行動を参与観察し、発話の奥にある心(本質)を観る姿勢で経営者などの語りを聴き、得られた発見事実の論理的分析・考察から、経営理念の戦略的浸透プロセスを明示した。
また、全員参画型の戦略的理念経営の具現化こそが、その取り組みに伴う変化を厭わず、内省を通じて経営の基軸を理解・受容し、体現し得る人材の育成・開発に向けた道筋であることも論究している。

㈱中央経済社　（242頁）